岡山大学病院が遠隔地の希少がん患者と家族をつなぐメタバース運用を開始

岡山大学病院は、希少がん患者同士や家族と交流できるメタバース空間を構築し、希少がん治療における精神的ケアに関して、メタバースの特性を活かした運用を開始すると発表した。

今後は2023年中に試験運用を開始する予定で、遠隔地にいる患者同士の交流の場を提供するほか、がんサバイバーの方の講演や妊孕性など、デリケートな話にも有用するとしている。

発表の概要

小児や思春期・若年成人世代に多く発症する希少がん患者にとって、メンタルケアは非常に大切にもかかわらず、希少疾患ゆえ、患者同士が交流する事や家族同士の情報交換の場などが十分にある環境とは言えない。
そのため、2023年6月、岡山大学学術研究院医歯薬学域(医)医療情報化診療支援技術開発講座の長谷井嬢准教授(整形外科)は、遠隔地の患者同士や家族を繋げるメタバースを開発した。
現在、全国の拠点病院病院と各診療科との調整を行っており、2023年中には試験運用を開始する予定。

> 本発表に関する詳細について

希少がん患者と家族をつなぐメタバース空間
希少がん患者と家族をつなぐメタバース空間

ポイント

  • 入院中、同世代・同一疾患の患者は殆どおらず、長期に孤独な闘病生活
  • メタバースで全国の病院をつなぎ、交流できる期間を創出
  • 患者同士・家族同士で情報交換が可能となり、ストレスに対するセルフケアが可能
  • ウェルビーイングの向上
希少がん患者と家族をつなぐメタバース空間

コメント

■長谷井嬢 准教授

長谷井 嬢 准教授

希少がんの治療は、その患者数が少ない事から、同じ病気で闘っている患者さん同士が交流できる機会が非常に少ないという課題があります。一部で患者会が開催されてはいましたが、現実空間での開催は地域が限定されてしまい、参加が難しいことも課題でした。
メタバースを用いることで、遠隔地の患者さん同士を繋ぐことができ、アバターで参加できるため、匿名性も高く、話がしやすいことがメリットなシステムです。連携病院を拡大中であり、がんサバイバーの方のお話や、疾患情報の講演なども企画しています。

本件問い合わせ先

岡山大学 学術研究院 医歯薬学域(医) 医療情報化診療支援技術開発講座
准教授
長谷井 嬢
〒700-8558
岡山県岡山市北区鹿田町2-5-1 岡山大学鹿田キャンパス
TEL:086-235-7273
FAX:086-223-9727

関連リンク

国立大学法人岡山大学

> 公式サイト

参考元・引用元公式発表

関連記事

人気記事