【参院選】ARを活用し候補者の同性婚・選択的夫婦別姓への賛否を可視化:ARカメラ「MARRIAGE VISION」がサービス開始

公益社団法人Marriage For All Japan – 結婚の自由をすべての人に(東京都港区、以下マリフォー)と、一般社団法人あすには(東京都新宿区)は、来る第27回参議院議員通常選挙に際し、共同企画としてARカメラ「MARRIAGE VISION(マリッジビジョン)」を開発し、7月10日(木)よりサービス利用を開始する。

「MARRIAGE VISION」は、スマートフォンを街頭の選挙ポスターにかざすだけで、候補者が「選択的夫婦別姓」と「同性婚」それぞれの法制化に賛成しているかを一目で判別できるツールで、AR(拡張現実)技術を社会課題解決と政治参加促進に応用した新たな試みとなっている。これにより、これまで把握が難しかった政治家の具体的な政策スタンスを、街頭のポスターという身近な媒体を通じて瞬時に可視化されることで、有権者が候補者の意見に容易にアクセスできるようになり、情報収集の円滑化を通じて、主体的な候補者選びを支援する。

「MARRIAGE VISION」開発の経緯

幸せを、ふたりで選べる時代にしよう

日本は、G7(主要7カ国)の中で唯一、「同性婚」と「夫婦別姓」が法律で認められていない国として知られている。選択的夫婦別姓については、2025年5月に28年ぶりとなる法案が国会に提出され審議されたものの、結論が出ず、秋の臨時国会での継続審議となった。一方、同性婚に関しては、これまでに5度にわたり高等裁判所で違憲判決が出されているが、政府および国会は具体的な法整備の動きを示していない状況が続く。このような法整備の遅れは、国内だけでなく諸外国からも指摘されており、早期実現が強く求められている。
こうした背景を受け、法制化の早期実現を目指す両団体は、7月20日に行われる第27回参議院議員通常選挙を「結婚について考える選挙」と位置づけ、有権者が候補者の立場を簡単に把握できるよう「MARRIAGE VISION」の共同開発に至った。

「MARRIAGE VISION」の利用方法

「MARRIAGE VISION」は、専用アプリのダウンロードが一切不要で、ウェブサイトから手軽に利用できる。利用者は、まず「MARRIAGE VISION」公式サイトにアクセスし、表示される選挙区の中から対象の選挙区を選択。その後、スマートフォンのカメラを起動し、選挙ポスターにかざすだけで判別が可能となる。
システムがポスターを自動で判別し、法制化に賛成している候補者のポスターに対しては、AR上で「結婚」をイメージしたカラフルな花束の3Dエフェクトが起動する。さらに、「同性婚に賛成」「選択的夫婦別姓に賛成」という立体的な文字エフェクトがポスター周辺に現れ、候補者の立場を直感的に表示する。

候補者が法制化に賛成しているかの判別について
候補者が法制化に賛成しているかの判別については、公益社団法人Marriage For All Japanが運営する「マリフォー国会メーター」などの大規模調査情報に基づいて判断されている。

「MARRIAGE VISION」の利用方法

Marriage For All Japanについて

「マリフォー」は、性のあり方に関わらず、誰もが結婚するか否かを自由に選択できる社会の実現を目指し活動している団体である。2019年1月に設立され、同年の2月に提起された「結婚の自由をすべての人に」訴訟の弁護団に所属する弁護士の一部と、社会課題解決に取り組む多様な専門家によって組織された。「二人が一生を共に生きていきたい」と望む際に、性別に関わらず結婚を選択でき、また結婚という形を望まないならば強制されないという「結婚の自由」の実現を掲げる。異性カップルであるか同性カップルであるかにかかわらず、結婚という選択肢が平等に用意されるべきだという理念に基づき、訴訟のPR支援のほか、イベント、セミナー、メディア出演、調査研究、ロビイングなどを通じて、結婚の平等(同性婚の法制化)の実現を目指している6。代表理事は寺原真希子氏と三輪晃義氏が務める

  • 名称:公益社団法人 Marriage For All Japan – 結婚の自由をすべての人に
  • 設立:2019年1月
  • 代表理事:寺原真希子・三輪晃義
  • 理事:上杉崇子・加藤丈晴・前田信・松中権・柳沢正和

一般社団法人あすにはについて

「あすには」は、誰もが息苦しさを感じずに自分らしく暮らせるジェンダー平等社会の実現を目指し、その第一歩として「選択的夫婦別姓」の実現に取り組む団体で、2018年に活動を開始し、2023年7月に法人化された。日本は世界で唯一、結婚改姓を義務付けている国であり、望まない改姓は個人のアイデンティティを著しく傷つけ、業務上・社会生活上の不利益を生じさせている。特に、日本の家父長制的な社会的圧力により、結婚する女性の95%が改姓している現状を問題視している。こうした状況を受け、「あすには」は2024年に国連女性差別撤廃条約に基づく日本審査にNGOとして参加し、日本政府へのより強い改善勧告(4度目)に貢献した。同年にはForbesJAPANの「いま注目のNPO50」にも選出されている。2025年6月には、当事者として衆議院法務委員会で意見陳述を行うなど、積極的に法改正に向けた活動を展開。国民一人ひとりが「#自分の名前で生きる自由」を取り戻すことがジェンダー平等の第一歩であると考え、2025年内の法案可決を目指し活動を続けている。

  • 名称:一般社団法人あすには
  • 設立:2023年7月
  • 代表理事:井田奈穂
  • 副代表理事:奥西由貴
  • 理事:青野慶久・吉永磨美・波多野綾子・野口敏彦

参考元・引用元公式発表

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