スイスの人類学者ミラ氏とVTuber/作家バーチャル美少女ねむ氏による研究ユニット「Nem x Mila(ねむみら)」は、2025年7月28日、ソーシャルVRユーザーの経済活動に焦点を当てた大規模アンケート調査「メタバース経済」を開始した。
本調査は、「ソーシャルVRライフスタイル調査」シリーズの一環として行われ、ソーシャルVR人口の増加と各プラットフォームのクリエイターエコノミー機能強化を背景に、その経済活動の実態と展望を深く掘り下げることを目的としている。経済学者の井上智洋氏が公式アドバイザーを務め、国内外の多数のメディアやコミュニティが情報拡散に協力する。
調査概要と参加方法【8月16日まで回答を受付中】
本調査は、VRヘッドマウントディスプレイの低価格化や著名インフルエンサーの進出により人口が大幅に増加しているソーシャルVRにおける経済活動の実態を深掘りすることを目的として実施される。ソーシャルVRで実際に活動している人々がどのような経済活動を行い、どのような展望を抱いているのかを、プラットフォームや地域ごとの傾向の違いも含めて詳しく分析する。
- 目的:
ソーシャルVRのユーザーの経済活動の在り方について理解を深めること。 - 回答方法:
日英バイリンガル対応したGoogleフォームによる公開アンケート方式。回答時間は約5~15分を想定。 - 対象:
VRヘッドマウントディスプレイを用いて、直近1年以内に以下のソーシャルVRを5回以上使ったユーザー(デスクトップ・スマホからのみの利用者は今回は対象外)- VRChat
- Neos VR
- cluster
- バーチャルキャストなど
- 回答受付期間:
2025年7月28日(月)~8月16日(土) - 注意事項:
- 回答は一名一度のみ
- フォームは匿名
- 個人情報は不問
- 自由筆記の質問で個人が特定できるような記述は厳禁
- 結果レポート:
調査結果は無償公開される予定で、参加者の個人が特定されないよう最大限配慮される
経済学の専門家と国内外メディアによる協力体制
井上智洋博士が「公式アドバイザー」として調査協力
本調査の公式アドバイザーには、経済学者であり駒澤大学経済学部准教授の井上智洋氏が協力。井上氏はメタバース経済に関する著書『メタバースと経済の未来(文春新書)』を執筆しており、マクロ経済学、特に人工知能(AI)の進化が雇用に与える影響を専門としている。
公式サポーター
幅広いユーザー層からの回答と調査結果の広範な周知のため、国内外の主要なメタバース関連メディアやコミュニティが「公式サポーター」として情報拡散に協力。主な公式サポーターは以下の通り。
- 英語圏: IMMERSIVE WIRE、ICXR、Armani's Parlour
- 日本語圏: PANORA、株式会社HIKKY、VRアジト、株式会社ブイノス
「ソーシャルVRライフスタイル調査」シリーズについて
今回の「メタバース経済」調査は、これまでに5回実施され総回答数5,000件を超える「ソーシャルVRライフスタイル調査」シリーズの第6弾となる。研究ユニット「Nem x Mila」は、VTuberやメタバースが人類に与える影響を調査するために結成された研究ユニットであり、2023年には国際連合の国際会議「IGF京都2023」でもその活動を発表するなど、国際的な実績を持つ。これまでの調査では、メタバースでのアイデンティティやハラスメント、ソーシャルVRライフスタイルなど多岐にわたるテーマが扱われてきた。
研究ユニット「Nem x Mila」
ユニットメンバーは、スイスの人類学者リュドミラ・ブレディキナ氏(ミラ)と、日本のVTuber/作家であるバーチャル美少女ねむ氏。ミラ氏は「バ美肉」「VTuber」に関する修士論文で学術賞を受賞し、NHKのドキュメンタリーでも取り上げられた実績を持つ。バーチャル美少女ねむ氏は解説書『メタバース進化論』の著者であり、「ITエンジニア本大賞2023」ビジネス書部門で大賞を受賞、Forbes JAPANの「NEXT100」にも選出されるなど、メタバース文化のエバンジェリストとして活躍している。