メタバースでのハラスメントに関する実態を明らかにした大規模調査レポートを無償公開【Nem x Mila】

スイスの人類学者ミラさんと、メタバース文化エバンジェリストでVTuberのバーチャル美少女ねむさんは、今年9月に共同で実施した、メタバースでのハラスメントに関する大規模アンケートの調査結果が判明した事を受け、それらを分析した60ページを超える調査レポート「メタバースでのハラスメント」を、11月8日より無償にて公開している。

同レポートは、世界中のソーシャルVRユーザーから寄せられた約900件におよぶ回答を元に、VRならではのハラスメントの実態やそれらが及ぼす影響、ユーザーによる法律やプラットフォームへの要望などが記述されており、それ以外にも、昨年同チームが実施した生活実態調査「ソーシャルVR国勢調査2021」と比較したユーザー動向の変化などを分析している。

また、11月26日(土)には、視聴者からの質問をリアルタイムで受け付ける、研究ユニット「Nem x Mila」によるメタバース報告会をYouTube LIVE生配信で実施する。

「メタバースでのハラスメント」調査概要

  • 目的:
    ソーシャルVRにおけるハラスメントの実態を調査するため
  • 対象:
    VRヘッドマウントディスプレイを用いて、ソーシャルVR (VRChat、Rec Room、Neos VRなど) を直近1年以内に5回以上使ったユーザーで、英語もしくは日本語話者の方
    ※デスクトップ・スマホからのみの利用者は今回は対象外
  • 方法:
    2022/9/5~9/24
    Googleフォームによる公開アンケート
  • 募集:
    日英仏3カ国語でプレスリリースを発行し世界中のメディアに送付
    各種メタバース関連団体の力を借りて拡散
  • 公式サポーター:
    NPO法人バーチャルライツ
    PANORA
    メタカル最前線
    株式会社ブイノス

【関連記事】バーチャル美少女ねむさんとスイスの人類学者ミラさんによる「メタバースでのハラスメント」に関する大規模実態調査を実施(2022.9.9)

調査結果

回答数:876件

日本・北米・ヨーロッパをはじめとする世界中のソーシャルVRユーザー876名が回答。
利用するソーシャルVRは、VRChat・Neos VR・バーチャルキャスト・cluster。

「メタバースでのハラスメント」回答数
出典元:レポート「メタバースでのハラスメント」公開ポータルサイト(日本語)

結論

  • メタバースでのハラスメントは存在。半数のユーザーが経験
  • VRの没入性により、ユーザーはハラスメントを「リアル」に感じる
  • 性的ハラスメントが最も多い
  • リアル男性でも、女性型アバターを使うことで被害を受けやすくなる傾向を確認
  • 現状のハラスメント度合いは「軽い」「中程度」がほとんど。ただし状況やユーザーの特性(セクシャリティ・マイノリティなど)によっては「極めて重大」にもなりうる
  • 現実世界と同様、マナーや思いやりを持ち、相手の事を考えて行動することが重要
  • 多くのユーザーは法律やプラットフォーマーが、メタバースにおいて自由の制限を設けることに懸念を持っている
  • より柔軟な安全コントロールやガイドライン・モデレーションの充実を求める声も多く存在

調査レポート「メタバースでのハラスメント」

レポート形式

pdf、日英バイリンガル、62ページ

レポート公開ポータルサイト(日本語版)  
レポート公開ポータルサイト(英語版)  

※更なる分析と今後の調査活動の参考のため、読後アンケートのフィードバックを受付中

目次

Part 1. ハラスメントの経験率

地域・セクシャリティ・サービス別

Part 2. ハラスメントの実態

ハラスメントの種類・強度・理由

Part 3. ハラスメントの影響

物理世界とメタバース双方の生活に与える影響

Part 4. よりよいメタバースのために

安全を守るもの・法律やプラットフォームへの要望

Part 5. メタバースユーザープロファイル 2022

物理性別・年齢・アバターの性別・昨年からの変化

「メタバースでのハラスメント」調査項目:ハラスメント経験率と目撃率
出典元:レポート「メタバースでのハラスメント」公開ポータルサイト(日本語)
「メタバースでのハラスメント」調査項目:ハラスメント種別
出典元:レポート「メタバースでのハラスメント」公開ポータルサイト(日本語)
「メタバースでのハラスメント」調査項目:ハラスメントを受けた場所
出典元:レポート「メタバースでのハラスメント」公開ポータルサイト(日本語)

YouTube LIVE生配信でのメタバース報告会を実施

視聴者からの質問もリアルタイムで受け付けるメタバース報告会を11月26日に実施。

  • 開催日時
    11月26日(土)22:00~
  • 配信方法:
    YouTube LIVE生配信

メタバース研究ユニット「Nem x Mila」

スイスの人類学者ミラ (リュドミラ・ブレディキナ)さんと、メタバース文化エバンジェリストのバーチャル美少女ねむさんによる研究ユニット。
YouTube配信のほか、各種学術イベントでの登壇発表を予定している。

メタバース研究ユニット「Nem x Mila」
出典元:レポート「メタバースでのハラスメント」公開ポータルサイト(日本語)

ミラ (リュドミラ・ブレディキナ)

スイス・ジュネーブ大学修士号を取得。現在はフリーの人類学者として活動している。2022年に「バ美肉」「VTuber」に関する修士論文でジュネーブ大学のジェンダー分野の学術賞「プリ・ジャンル」を受賞した。

Twitter

バーチャル美少女ねむ

日本のVTuberで、メタバース文化エバンジェリスト。
HTC公式VIVEアンバサダー。2022年には自身の体験とVR国勢調査を元に解説書『メタバース進化論(技術評論社)』を出版。発売3ヶ月で六刷重版の大ヒットに。

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メタバース研究ユニット「Nem x Mila」最近の活動について
出典元:レポート「メタバースでのハラスメント」公開ポータルサイト(日本語)

会社情報

株式会社ブイノス

所在地:東京都中野区弥生町2-28-1 兼子ビル1F
代表者:代表取締役 安藤篤志
設立:2019年3月14日

コーポレートサイト

参考元・引用元公式発表

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