株式会社アルファコードと国立大学法人静岡大学 情報学部情報科学科 石川翔吾講師は、メタバース内で認知症の人の世界観を再現するPX (Patient eXperience)体験プラットフォームを共同開発し、プラットフォームを使った介護職・医療職向け体験会を石川県加賀市にて開催した。
PX体験プラットフォームは、アルファコードが展開するインターネット不要のメタバース「VRider COMMS(ブイライダーコムズ)」を基に開発されており、任意のタイミングで心身機能障害により発生する体験をおこすことができる。
今後は、PX体験プラットフォームで再現できる「認知症の心身機能障害」と「メタバース内の生活空間」を拡充することで、認知症をもつ人への理解とケアについて学べる機会を、介護職、医療職だけでなく、多くの方に提供するとしている。
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PX (Patient eXperience)体験プラットフォームとは?
認知症の方の「虫がいるからスープが飲めない」「汚いから飲めない」、介護者の「虫なんていないから飲んで」「汚くないから飲んで」といったやり取りの中で、認知症の方が感じているであろうこのような感覚の一部を、メタバース技術を活用して体験できるプラットフォーム。
アルファコードと静岡大学 石川翔吾講師が、インターネット回線を必要とせず、通信遅延も最低限なメタバースソリューション「VRider COMMS(ブイライダーコムズ)」を基に共同開発。
今後は、介護職、医療職への活用を推進し、認知症の早期発見、認知症ケアの質向上に貢献するとしている。
PX体験会を開催
3月15日に、石川県加賀市役所でPX体験会を開催。
PX体験会には24人の介護職・医療職の方が参加し、1セッションで6人が同時に体験。
メタバース内の一室で、認知症の心身機能障害のうち「色々なものが人の顔に見える」「形や大きさを正しく認識できない」「聞こえないはずの音が聞こえる」を体験した。
参加者の声
「あんな風にしっかり見えているとすると(スープの上に虫)、やっぱり食べられないですよね」
「あの方は実はこういう見え方をしているから、そういう行動をするのかも」
「言葉では知っていてもVRで体験することはこれまでなかったので人材育成にもつながる」
石川講師のコメント
「言葉だけでは理解したつもりに陥りやすいさまざまな認知症の方の認知体験を体験することで、認知症の方を深く知ることに繋がると思います。今後の介護教育の未来が拓かれたように感じました」
PX体験会概要
名称:
「当事者の希望に伴走するためのメタバース(仮想空間)を活用したPX(patient experience 本人体験)体験」
主催:
石川県加賀市
共催:
国立大学法人静岡大学 ケア情報学研究所
開催日時:
2023年3月15日(水) 19時30分〜
開催場所:
石川県加賀市役所別館 (石川県加賀市大聖寺南町ニ41)
対象:
介護職、医療職
目的:
介護職、医療職の人にメタバース空間内で認知症の人の立場となり、認知症の人が体験している世界を体験することで理解を深め、更なるケアの質向上に活かす。