京都府城陽市、不登校児童生徒に対する新たな学習空間の確保に向け「3D教育メタバース」を活用した取り組みを開始

京都府城陽市教育委員会(城陽市)は、城陽市内のふれあい教室(適応指導教室)において、不登校の児童生徒に向けた「新たなる学びの場」の確立をめざし、エヌ・ティ・ティ・スマートコネクト株式会社(NTTスマートコネクト)が提供する、教育空間に特化した教育機関向けメタバース「3D教育メタバース」の活用を2024年4月8日(月)より開始した。

本取り組みは、城陽市教育委員会、西日本電信電話株式会社京都支店(NTT西日本)、NTTスマートコネクトが連携して進められ、「3D教育メタバース」を通じて、不登校児童生徒への支援を行うという点で京都府においては初の試みとなる。

城陽市では、当面、ふれあい教室においてのメタバース導入を進め、その成果を踏まえた上で、ふれあい教室に通室していない不登校児童生徒にも支援の対象を拡充するほか、将来的には、本教育プログラムを学校の教育活動に活用して、個別最適な学びと協働的な学びを実現するとともに、次代を担う人材育成を展望している。

不登校児童生徒に対する「3D教育メタバース」の活用は、さいたま市(2023年11月より開始)なども活用実証を開始しており、自治体によるメタバースを活用した取り組み推進が今後さらに期待される。

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背景と目的

小・中・高の不登校が約30万人に急増し、90日以上の不登校であるにもかかわらず、学校内外の専門機関等で相談・指導等を受けられていない小・中学生が4.6万人(※)に達しており、文部科学省からも『不登校により学びにアクセスできない子供たちをゼロにする』ことをめざし、「誰一人取り残されない学びの保障に向けた不登校対策(COCOLOプラン)」(令和5年3月31日)が取りまとめられた。

城陽市では、不登校児童生徒に対し、適応指導教室での学習支援や体験活動を通じて、学習の喜びや仲間とのつながりを感じ取る機会を提供し、社会的自立促進に取り組んできたなか、オンライン支援機能の強化による、安心できる居場所や多様な学び場の必要性を認識するに至り、不登校児童生徒向けの新たな学習空間の確保を模索することとなった。

※誰一人取り残されない学びの保障に向けた不登校対策について(文部科学省 令和5年3月31日発出)
> https://www.mext.go.jp/content/20230418-mxt_jidou02-000028870-aa.pdf
> https://www.mext.go.jp/content/20230418-mxt_jidou02-000028870-bb.pdf 

取り組み概要

◎実施期間(予定):
2024年4月8日(月)~ 2025年3月31日(月)

◎実施内容:
仲間の存在や距離を実感できる臨場感のある3Dメタバース空間を活用し、性別や容姿を気にせず自己表現ができるアバターを通じたコミュニケーションの促進。
協力的な学習体験、授業活動、および各種イベントの実施に活用されることを目指す。
本取り組みにより、不登校児童生徒が社会的スキルを培い、学びの場への再統合を支援する新しい道が開かれることを期待している。

    各者の役割

    ◎城陽市:
    ・3Ⅾ教育メタバースを活用した不登校児童生徒への教育相談及び多様な学習機会の提供
    ・学校の教育活動を支援するツールとしての3Ⅾ教育メタバースの活用(予定)

    ◎NTT西日本:
    ・不登校児童生徒の新たな学びの場(3Ⅾ教育メタバース)のコーディネート
    ・3Ⅾ教育メタバースを活用した授業の企画/実践(予定)

    ◎NTTスマートコネクト:
    ・3Ⅾ教育メタバースの提供
    ・操作説明等の支援 等

    3D教育メタバースとは?

    教育空間に特化した教育機関に向けメタバース。
    場所の制約を問わないアバターでのコミュニケーションを活用することで、心理的ストレスなく、自己表現や他の利用者との交流を実現し、子どもたちの成長を育むことを目的としており、探究学習やアクティブラーニング、他校との交流授業などで活用できる教室や集会所、小ルーム(面談室)、アクティブラーニングルームなど、教育に特化した仮想空間を提供。
    授業や全体集会、グループワークや面談といった学校特有のさまざまなシーンでの活用が可能なサービス。
    機能としては、3Dオーディオによる臨場感のある会話や、翻訳も含めた音声の自動テキスト化と吹き出し形式での表示等の充実したコミュニケーション機能だけでなく、音声や映像等のログ保存による出席確認や児童生徒の活動状況の振り返り、テキストチャットのNGワードフィルタリングなどを実装しており、対応端末は、Windows・ChromeOS・iOS・ Android の4OSに対応している。

    > サービス紹介公式サイト

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    ■3D教育メタバース活用案

    3D教育メタバース
    1. 仲間とのつながり
      臨場感のある空間での行事や仲間(アバター)と一緒に学びあう授業だけでなく、保護者会など同じ悩みを抱える保護者のつながりへの活用
    2. 社会とのつながり
      学校以外の組織(企業など)との交流を通じて、未来の職業観の醸成など、夢を育む学びへの活用
    3. 地域とのつながり
      他自治体の児童生徒との交流など地域を超えてつながることで、多様な人と関り、新たな価値観への気づきや対話的な深い学びあいに活用

    問い合わせ先

    ◎NTT西日本 京都支店 ビジネス営業部:
    E-mail:kyoto-koukyou-kikaku@west.ntt.co.jp
    TEL:075-366-4959(平日9:30~17:00)

    ◎NTTスマートコネクト メディアビジネス部:
    E-mail:realive360-ml@nttsmc.com
    TEL:06-6147-5191(平日9:30~18:00)

    参考元・引用元公式発表

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