株式会社STYLY(東京都新宿区)は、全世界の場所を対象にXR体験を配信できる新ソリューション「STYLY World Canvas(ワールドキャンバス)」の提供を日本時間2025年6月11日より開始した。
本ソリューションは、アメリカで開催された世界最大級のXRイベント「AWE USA 2025」での発表に合わせて提供が開始され、STYLYが提供する制作プラットフォーム「STYLY Studio」から世界中のロケーションを指定するだけで3Dマップを読み込み、現地に赴くことなく、誰でも即座にXRコンテンツを世界規模で展開することを可能にする。
従来のXR体験は、設置場所の制約や現地調査の必要性から展開スピードやスケールに限界があった。そこで今回、「グローバルに複数都市でXR体験を広げられないか」という事業者やクリエイターからの要望に応えるべく、本ソリューションが開発された。これにより、ブランドのグローバルキャンペーン展開、オリンピックや万博などの国際イベントとの連動、不動産・都市開発プロジェクトの構想可視化など、幅広いユースケースが可能となった。
STYLY World Canvasとは?

STYLY World Canvasは、City AnchorアセットをSTYLY Studioに配置するだけで、世界中の3D地図データを自動的に読み込み、正確なロケーションベースのXR空間を構築できる新ソリューション。この機能により、現実の地図情報に基づいて3Dマップが展開され、ビルや道路の位置に沿ってアセットを正確に配置することが可能となり、現実の都市とシームレスに連動したXR体験を実現する。東京やニューヨーク、パリなど、世界中の任意の都市をベースに空間演出が行えるため、グローバルプロジェクトや観光地と連動した演出、あるいは地域の文化や特性を反映した都市型XR表現といった幅広い応用が可能となる。
ロケーションフリーなXR体験
限定されたスポットへの配信ではなく、例えば、東京タワー、エッフェル塔、サグラダ・ファミリアといった世界各地のランドマークを、特定のブランドのコンセプトカラーで同時に「ラッピング」したり、全世界の都市を巻き込んだ大規模なプロモーションプランを実現したりすることも、STYLY Studio上でのデザインと配信ボタンの操作だけで完結する。これにより、従来のXR体験が抱えていた、限定されたスポットへの配信という制約を大きく緩和され、制作者は、場所を超えて“体験”としてのストーリーを、世界中の人々にワンストップで提供できるようになる。
制作を加速する画期的な機能と簡単な操作性
STYLY World Canvasの使い方は極めてシンプルで、STYLY Studioで新規シーンを作成する際にARテンプレートを選択し、アセットセレクターのFunctionから「AR on City」と「City Anchor」アセットをシーンに配置するだけで、3D地図データが自動的に読み込まれる。読み込まれた3D地図データは、右上に表示されるMap Mesh内にある「Show 3D Map Tiles」のチェックを外すことで非表示にできる。これにより、クリエイターや事業者にとって、高品質なXR体験の制作環境が手軽に利用可能となる。