メタバースを活用したイベント企画やコンテンツ開発を手掛けるparalreal株式会社は、少子高齢化が進む熊本県苓北町と連携し、高齢者が閉じこもる事で危惧される、心身の健康不安解消などを目指し、メタバースを活用した高齢者向け交流サービスの実証に取り組むと発表した。
熊本県苓北町は、町内全域に光ファイバー整備がされるなど、デジタルインフラの構築が進んでおり、今年6月に同町のイノベーションマネージャーとしてparalrealに就任を要請。
7月14日には就任式が予定されている。
熊本県苓北町のイノベーションマネージャーに就任したparalreal株式会社代表取締役の大仁田英貴氏によれば、「過疎地域でありながら、全家庭にデジタルインフラが整備されていることを優位性に、高齢者メタバース事業実証実験モデルを他の地域でも展開できるよう様々なチャレンジをしていきたい」としており、今後は、地域総合整備財団(ふるさと財団)が取り組む、地域イノベーション連携(LIP)モデル事業と連動し、高齢者向けのメタバースサービス事業の企画創出とメタバースの実証を開始する。
今年度の実証実験とその背景
町職員・訪問相談員が実感する「孤独で不安な気持ちを抱える高齢者の増加」問題について、コロナ禍以降、特に閉じこもってしまうケースが増えており、心身の健康不安につながる事が危惧されている。
それらの課題解決に向け、メタバースを活用した相互コミュニケーションツールによる交流の場を提供し、「外に出て人と会話しようと思う前向きな気持ちの醸成」につなげていく。
その他にも、運営体制の自走化に向けた教育研修支援の一環として、地元の中学生にメタバースと本町の高齢者の課題について学習させ、「閉じこもり解決ワークショップ」を開催するとしている。
企画内容
「めたばあす課 」運営支援
行政職員、高齢者専門員、民間等で構成する協議体を開設。
情報可視化と受入体制整備
課題抽出と解決ビジョンの策定、事業者受入態勢の整備。
実証実験スキームの構築
簡易実証の実施と実証実験における実証フィールド確保。
自走化に向けた教育研修支援
事業化に向けて、人材育成研修を実施。
熊本県苓北町について
江戸時代末期まで天草の政治、経済、文化の中心として繁栄した地である熊本県苓北町は、美しい自然環境に恵まれているなか、近年は急速に少子高齢化が進行し町の大きな課題の一つとなっている。
その一方で、2009年度から開始した地域情報通信基盤整備推進等により、町内全域に光ファイバー整備がされるなど、デジタルインフラの構築が進む町でもある。
ふるさと財団とLIPモデル事業について
一般財団法人 地域総合整備財団(ふるさと財団)は、地域の持続的な発展と地域の魅力向上を目指し、地域イノベーションを支援するために設立された公益財団法人。
地域イノベーション連携(LIP)モデル事業は、ふるさと財団が地方自治体と連携して展開している取り組みで、本事業を通じ、地域内の様々な関係者が連携して、地域の課題解決や新たな価値創造が取り組んでいる。