VTuber・作家として活躍するバーチャル美少女ねむさんと、マルタ大学の文化研究者リュドミラ・ブレディキナさんによる研究ユニット「Nem x Mila(ねむみら)」は、第4弾大規模調査プロジェクトとして、メタバース住人の生活実態を可視化する大規模調査レポート「ソーシャルVRライフスタイル調査2023」を全ページ無償公開した。
ソーシャルVRライフスタイル調査2023は、各種省庁やメディアでも取り上げられ話題となった前回(2021年公開)に続く2回目の調査で、要望の多かった「人口急増による変化」「コミュニティ」「経済」を重点テーマに詳しく分析。
サンプル数は2,000件、ページ数は80Pを超える大規模レポートで、メタバース住人の生活実態を知る上では必読のレポートとなっている。
また、レポート公開を記念して、11月13日 (月)にはYouTube Liveイベントを、11月18日 (土) には研究ユニット「Nem x Mila」によるメタバースからの調査報告会が予定されている。
※「ソーシャルVR」とは?
VRゴーグルで没入しオンラインの三次元仮想空間でアバターの姿でコミュニケーションができるサービスの総称。VRChat、Neos VR、cluster、バーチャルキャストなど
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「ソーシャルVRライフスタイル調査2023」とは?
■概要
◎目的:
ソーシャルVRのユーザーの生活実態を明らかにすること
◎対象:
VRヘッドマウントディスプレイを用いて、ソーシャルVR (VRChat、Neos VR、cluster、バーチャルキャストなど) を直近1年以内に5回以上使ったユーザー
※デスクトップ・スマホからのみの利用者は今回は対象外
◎方法:
2023年8月28日~9月16日
日本語・英語でのGoogleフォームによる公開アンケート
◎募集:
日本語・英語でプレスリリースを発行。各種メディア・関連コミュニティ経由で拡散
◎公式サポーター:
- 株式会社HIKKY
- PANORA
- メタカル最前線
- VRアジト
- AXON PARK
- 株式会社ブイノス
- マルタ大学(アドバイス・総評:ヴァネッサ・カミッレーリ博士)
■サンプル数:2,007件
- 全世界のソーシャルVRユーザーから過去最大となる2,007件が回答。
- 特に海外ユーザーのデータが劇的に増加し、日本・北米・ヨーロッパに加えて、アジア地域も詳細に分析が可能になった。
- 回答者の利用サービスは、VRChat・Neos VR・cluster・バーチャルキャストなど多岐に渡った。
■目次
Part 1. ライフスタイルとコミュニティ
ソーシャルVRの利用動向・利用目的・コミュニティ
Part 2. アイデンティティ
ユーザーによる名前・アバター・音声表現
Part 3. コミュニケーション
ユーザー間の距離感・スキンシップ・恋愛・セックス
Part 4. 経済
仮想空間における支出と収入の金額と内訳
Part 5. ファントムセンス
感覚の種類・感じやすさ・触覚を感じる部位
結論
『コロナ禍とVRゴーグルの低価格化を受けて、ソーシャルVRのユーザー数はここ数年で5倍以上に拡大したと言われており、人類の新たな生活空間「メタバース」として注目されています。
本調査では、世界規模で行った大規模アンケートの回答2,000件を分析することで、VRユーザーの生活実態を可視化しました。
第2回となる今回は「人口急増による2年間での変化」に着目します。
また、事前アンケートでも住人のみなさんから非常にリクエストの多かった「コミュニティ」「経済」のトピックを重点テーマとして追加し、詳しく分析しました。今大きく広がり始めた仮想世界で、果たして私達はいかに繋がり、いかに生きていくのでしょうか?
本レポートは進化し続ける世界のほんの入口を紹介したに過ぎませんが、来る新時代の一端を照らし出し、より良い未来に向けた議論のきっかけになれば幸いです。』
以下、Part 1・Part 4より、特筆すべき発見の一部を抜粋して紹介。
<Part 1. ライフスタイルとコミュニティ >
- 四大サービス(VRChat・Neos VR・cluster・バーチャルキャスト)の体制には変化なし。ただし、2年間でclusterが大きくシェアを伸ばした。clusterはイベント目的以外の活用が増え、カジュアルなユーザーが増えていると考えられる。
- 全体として物理男性が優勢な傾向 (66~85%) は変わらないが、地域によっては物理女性が徐々に増え始めている。
- 2年間で全体の総プレイ時間が大きく伸び、VRChatでは1,000時間以上プレイしている人の割合が過半数に達した。
- 人気のコミュニティのトップ3はVRChatの場合「雑談」「音楽」「ファッション」であった。ただし、Neos VRでは「クリエイティブ」系のイベントが1位になるなど、サービスや地域によって様相が大きく異なることがわかった。
<Part 4. 経済>
- ほとんど全てのユーザーがソーシャルVR関連のコンテンツにお金を払っており、全体の18%が年間10万円以上支出していた。内訳のトップはアバターなどの「3Dモデルの購入」であった。
- 全体で42%のユーザーが、ソーシャルVRでの体験をきっかけにして、物理現実の商品を買った経験があると答えた。
- 一方で、ソーシャルVR関連の活動で収入を得ているユーザーの割合はまだ少なく全体で26%程度で、年間10万円以上はわずか7%であった。内訳のトップ2は「3Dモデル制作」と「VRイベント」で、利用サービスや地域によって傾向に大きな違いが見られた。
- 全体で34%のユーザーが将来的にソーシャルVR関連の活動の収入を主軸に生活していきたいと答えた。
「ソーシャルVRライフスタイル調査2023」無償配布
調査結果を可視化し、各項目間の相関関係や過去のデータからの変化を分析した。レポート形式はpdf、日英バイリンガル対応、81ページ。人類とメタバースの未来に向けたオープンな議論を活性化させるため、全ページ無償公開となった。
■レポート公開ポータルサイト
レポート公開記念イベントを開催
11月13日 (月) 21:00より、レポート公開を記念して、VRユーザーコミュニティ「VRアジト」主催によるYouTube Liveイベントを開催。
ゲストにバーチャル美少女ねむさんや、MyDearest株式会社CEO 岸上健人さん、プロダクトデザイナーcremaさんを招いて、レポートを題材に様々なトークを予定。
◎開催日時:
11月13日 (月) 21:00~
◎配信方法:
YouTube LIVE生配信
Nem x Milaによる調査報告会を実施
11月18日 (土) 22:00より、調査を実施した研究ユニット「Nem x Mila」がメタバースから調査報告会を実施し、YouTube Liveにて配信。
◎開催日時:
11月18日 (土) 22:00~
◎配信方法:
YouTube LIVE生配信
メタバース研究ユニット「Nem x Mila」
スイスの人類学者ミラ (リュドミラ・ブレディキナ)さんと、メタバース文化エバンジェリストのバーチャル美少女ねむさんによる研究ユニット。
■過去の大規模調査プロジェクト
> メタバースでのハラスメント (2022)
> 新型コロナはバーチャルコミュニケーションを加速したか (2020)
バーチャル美少女ねむ
日本のVTuber/作家で、メタバース文化エバンジェリスト。
HTC公式VIVEアンバサダー。2022年に解説書『メタバース進化論(技術評論社)』を出版。「ITエンジニア本大賞2023」ビジネス書部門で大賞を受賞。
ミラ (リュドミラ・ブレディキナ)
マルタ大学社会福祉学部ジェンダー&セクシャリティ学科で博士課程在籍。2022年に「バ美肉」「VTuber」に関する修士論文でジュネーブ大学のジェンダー分野の学術賞「プリ・ジャンル」を受賞。