Diver-X株式会社(東京都中央区、代表取締役:迫田大翔)は、触覚フィードバック機能を搭載したコンシューマ向けグローブ型VRコントローラー「ContactGlove」を、9月下旬にクラウドファンディングプラットフォーム『Kickstarter』にてリリースすると発表しました。
「ContactGlove」とは?
「ContactGlove(コンタクトグローブ)」は、世界初(※)の触覚フィードバック機能を搭載した、VR空間内のものに『触れる感覚』を体験できる、SteamVR対応のコンシューマ向けグローブ型VRコントローラー。
※振動等を使った触覚フィードバックではなく、圧力を提示できる触覚フィードバックモジュールを搭載し、コンシューマ向けにリリースしているという点で世界初
製品ラインナップと価格
製品ラインナップは、2022年9月下旬発売予定の「Standard」、「Standard with Haptics」、2023年4月発売予定の「Professional」、「Professional with Haptics」の4製品をラインナップ。
価格については、既存のVRコントローラと同等以上の機能を持たせながら低価格を実現している。(為替レート、原材料費高騰などで予告なく価格変更の可能性あり)
- Standard:65,000円
- Standard with Haptics:115,000円
- Professional:125,000円
- Professional with Haptics:200,000円
出展情報
9/15~:東京ゲームショウ(▶ 出展者紹介)
9/20頃~:b8ta 有楽町
2023年1月4日~:CES ラスベガス
触覚フィードバックモジュール
同社では形状記憶合金を用いたコンパクトで安価な触覚フィードバックモジュールを開発。
触覚フィードバックモジュールは電子回路が組み込れ、指を包み込む形で筒状に加工されたフィルムと、コイル状に加工された形状記憶合金によって構成。
コイルは指の左右それぞれの側面に配置され、その両端はフィルムに溶接されており、グローブに内臓された電子回路からコイルに電圧が印加されると、コイルが自己発熱し収縮。
コイルが収縮することでその両端に接続された筒状のフィルムは指の腹を圧迫する形で運動する。
指の腹を圧迫することで触覚フィードバックを行うのが同社が開発した「ContactGlove」の革新的な点となっており、形状記憶を使うことで既存の振動モータを使ったグローブよりリアルな触覚を再現しつつ、コンパクトなデバイスを実現した。
フィンガートラッキング
リアルな触覚フィードバックを行うのに欠かせない、精密なフィンガートラッキング技術。
同社では独自開発した曲げセンサと加速度センサ(IMU)、赤外線距離センサを組み合わせ、指の曲げ・親指の開き、親指と各指の距離を精密にトラッキング。(※動画中では未実装)
専用のドライバも開発しており、専用のドングルを用いてPCと接続すれば既存のコントローラと同じようにSteamVRコンテンツ上で使用することが可能。
また、グローブ内部のセンサは最大限薄型化されており、ユーザーにその存在を忘れさせ、VR体験に最大限没入できるようにデザインされている。
着脱可能なマグネットコントローラー
「ContactGlove」は人差し指の側面に3つの磁気センサを搭載し、グローブ単体でもボタン入力・スライド入力が可能となっている。
また同社では、より正確な入力を求める方用に、マグネットで簡単に着脱できるコントローラを開発しており、用途に応じた使い分けが可能となっている。
それほか、グローブ側のマグネットバーはコントローラ以外の機器をマウントできるようになっており、今後このバーを用いた拡張機能のリリースを検討しているとのこと。
ホットスワップ対応バッテリー
「ContactGlove」はホットスワップ対応のバッテリーを搭載しており、無線接続で動作が可能。
バッテリー持続時間は、触覚モジュール搭載モデルで約2時間、非搭載モデルで約5時間となっている。
業界スタンダードに対応したSDK
ContactGloveには、UnityやUnrealEngine環境で簡単にフィンガートラッキング、触覚フィードバックを実現する為のSDK(ソフトウェア開発キット)が付属。
SDK内にはグローブの性能を最大化する為の先進的なアルゴリズムが実装されている。
モデルベースの触覚フィードバックモジュール制御
SMAコイルへの印加電圧に応じた温度変化、収縮速度、指の太さに応じた収縮量をモデル化し、省電力で触覚フィードバックモジュールを動作させながら、応答速度の向上・装着者間の提示圧力の個体差を吸収。
ユーザーの手の運動予測に基づく投機的実行アルゴリズム
3D空間内での、ユーザーの手の加速度・位置・指の状態と3Dオブジェクトとの位置関係をリアルタイムに計算し、ユーザーが実際に3Dオブジェクトに触れる前にその接触を予測。
ユーザーが3Dオブジェクトに触れる前に、触覚フィードバックモジュールに対して触覚提示の指令を出すことができ、応答性向上が可能となっている。
付属のSDKを使えばものに触れる感覚だけでなく、魔法や炎を持っている感覚をデザインすることも可能。
会社概要
Diver-X株式会社
所在地:東京都中央区新川1-25-2 新川STビル2階
代表者:代表取締役 迫田大翔
設立:2021年3月