KDDI株式会社、東急株式会社、みずほリサーチ&テクノロジーズ株式会社、一般社団法人渋谷未来デザインが組織する「バーチャルシティコンソーシアム」は、メタバース/都市連動型メタバースの運用・利用指針を整備したガイドライン「バーチャルシティガイドライン ver.2.0」を策定した。
バーチャルシティガイドラインは、メタバースを日常的に利用できるよう、利用者の公共性や創作性を促すことを目指し、2022年4月にver.1、2022年11月にver.1.5が発表されており、今回のver.2.0では、メタバース内で参加者同士が安心して金融取引を行える自律的経済圏の実現に向け、金融取引手段や規制法についてアップデートしている。
バーチャルシティガイドラインとは?
2022年4月22日にバーチャルシティコンソーシアムによって発表された、メタバースの運用・利用指針を整備したガイドライン。
2022年4月発表のver.1では、実在都市とメタバース間の連動性・景観再現性や、アバターの権利保護などについて、メタバースの設立/運用時の検討項目として策定しており、2022年11月発表のver.1.5では、クリエイターエコノミー実現に向けたNFT活用について更新している。
バーチャルシティガイドライン ver.2.0について
ver.2.0では、コンテンツの著作権・肖像権・所有権などの権利保護についてや、メタバース内で安心して金融取引を行える自律的経済圏の実現に向けて、金融取引手段や規制法などの項目をアップデートしている。
また、公共空間でのAR/MRコンテンツ活用時の注意点や、コンテンツ配信側に伴う法的責任について整理を行っている。
主なアップデート項目
■金融取引の手段や規制法:【メタバース上での経済活動】
メタバースおよび都市連動型メタバース上での、コンテンツやサービスの取引が活性化することが見込まれるため、今後想定される経済活動とそれに伴う各決済手段におけるメリット/デメリットとともに、関連する規制法や国際間取引における注意事項などを明文化。
■権利保護をはじめとした政府での議論反映:【バーチャルオブジェクトの権利関係の整理と注意点】ほか
ver.1で整理したアバターなどバーチャル・プロパティの権利保護について、内閣府メタバース官民連携会議や、総務省のメタバース研究会などの議論の結果を踏まえ、保護が認められるケースなどを想定する記載内容を更新。
■公共空間でのAR/MRコンテンツの配信時における注意点:【実空間での都市連動型メタバースの活用】
仮想空間と実在都市が連動する際に活用が想定されるAR/MRコンテンツについて、安全に視聴できる場所やコンテンツ配信側に伴う法的責任について整理。
バーチャルシティコンソーシアム概要
◎設立:
2021年11月9日
◎参画企業:
KDDI株式会社、一般社団法人渋谷未来デザイン、東急株式会社、みずほリサーチ&テクノロジーズ株式会社(2023年7月12日時点 五十音順)
◎代表:
KDDI株式会社 中馬 和彦
■アドバイザリーボード(参画有識者)
デジタルハリウッド大学 学長 杉山 知之(工学博士)、国際大学グローバル・コミュニケーション・センター 主幹研究員 教授 研究部長 渡辺 智暁(Ph.D., マスコミュニケーション)、東京大学 大学院工学系研究科 教授/一般社団法人渋谷未来デザイン 代表理事 小泉 秀樹 (博士(工学))、SAKURA法律事務所 弁護士 道下 剣志郎、KDDI株式会社/慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科 特任講師/経済産業省 大臣官房臨時専門アドバイザー 川本 大功(修士 政策・メディア)
■オブザーバー
- 経済産業省商務情報政策局コンテンツ産業課
- 渋谷区
- 大阪府・大阪市 万博推進局 出展企画課
■各社の主な役務
◎KDDI:
5Gや先端テクノロジーを駆使して、au版メタバースであるバーチャルシティの開発および技術やサービスに関する知見を共有する。
◎東急:
仮想空間との連動を見据え、リアルの都市でのまちづくり活動やビジネスの知見を共有する。
◎みずほリサーチ&テクノロジーズ:
コンソーシアム運営やガイドライン作成を支援する。
◎渋谷未来デザイン:
行政と民間企業の連携を推進する。