今回の「メタバース経済」調査は、これまでに5回実施され総回答数5,000件を超える「ソーシャルVRライフスタイル調査」シリーズの第6弾となる。研究ユニット「Nem x Mila」は、VTuberやメタバースが人類に与える影響を調査するために結成された研究ユニットであり、2023年には国際連合の国際会議「IGF京都2023」でもその活動を発表するなど、国際的な実績を持つ。これまでの調査では、メタバースでのアイデンティティやハラスメント、ソーシャルVRライフスタイルなど多岐にわたるテーマが扱われてきた。
筆者は普段、屋外でのPC作業や通勤時の映画鑑賞用途として、先行モデル「XREAL One」を利用している。もはやスマホと同じくらい日常に欠かせないものとして、その完成度の高さに満足していたが、「XREAL One Pro」がそれをどう超えてくるのか、海外発表時から非常に気になっていた。比較レビューに先立ち、まずは「XREAL One Pro」の特に注目すべき6つのポイントに絞ってご紹介する。
「XREAL One Pro」は、映像の鮮明さと快適性に直結する瞳孔間距離(IPD)に合わせて、Mサイズ(57~66mm)とLサイズ(66~75mm)の2サイズを展開する。これにより、多くのユーザーが自身の顔にジャストフィットするモデルを選択可能になった。筆者のIPD(約69mm)ではLサイズが最適で、映像は極めてクリアだった。
それでは、ここからは「XREAL One Pro」と「XREAL One」を比較していこう。まずは、両モデルのスペック比較表をご覧いただきたい。細かな違いが、実際の体験にどう影響するのかがポイントだ。
スペック
XREAL One Pro
XREAL One
備考
発売日
2025年7月24日
2025年1月23日
直販価格(税込)
84,980円
69,980円
15,000円の価格差
3DOF/6DOF
3DoF(本体単体) 6DoF対応(別途XREAL Eyeが必要)
3DoF(本体単体) 6DoF対応(別途XREAL Eyeが必要)
チップ
XREAL X1 チップ
XREAL X1 チップ
光学設計
X Prism
Birdbath
Proは映り込みを大幅に削減
ディスプレイ
ソニー製 次世代0.55インチ マイクロOLED
ソニー製 0.68インチ マイクロOLED
解像度
400万ピクセル、1920×1080
400万ピクセル、1920×1080
解像度は同等
リフレッシュレート
最大120Hz
最大120Hz
滑らかさも同等
視野角(FOV)
57度
50度
Proの最大の進化点
最高輝度
700 ニト
600 ニト
瞳孔間距離(IPD)調整
MとLから選択可
ソフトウェア式IPD調整
重量
約88g(実測値)
約84g(実測値)
体感差は殆どなし
接続方式
USB-C (DisplayPort)
USB-C (DisplayPort)
表から明らかなように、「XREAL One Pro」の進化は『視野角』『光学エンジン』『輝度』『オーディオ』、そして『IPDの物理選択』といった点に集約されている。15,000円の価格差がこれに見合うものなのか、核心の比較レビューに移ろう。
【比較レビュー①】視野角57°の衝撃
最大の進化点である視野角。「XREAL One」の50°でも十分に衝撃的だったが、「XREAL One Pro」の57°は、その感覚を別次元へと引き上げる。数字の上ではわずか7°の違いだが、人間の視野にとってこの差は大きい。例えるなら、標準的なPCモニターで作業していたのが、視界の両端まで広がるウルトラワイドモニターに変わった時の感覚に近い。
【映画鑑賞での没入感】
「XREAL One」では画面の端を意識することがあったが、「XREAL One Pro」では視界の大部分が映像で満たされるため、より深く物語に没入できる。特にIMAX比率の映画では、その上下の広がりの恩恵を最大限に感じられた。
【比較レビュー②】映り込み激減の真価:「X Prism」の実力
もう一つの大きな進化が、新光学エンジン「X Prism」の採用だ。 従来のバードバス方式のARグラスは、構造上、レンズの下方から入る光が内部で反射し、視界に光や自分の顔の一部が映り込む現象が避けられなかった。特に、野外や日中の明るい室内では、この映り込みが没入感を削ぐ要因となっていた。 筆者も「XREAL One」では、これを避ける工夫をしていたが、「XREAL One Pro」では、この長年の課題が劇的に改善されている。同じ環境で「XREAL One」と「Pro」を交互に装着してみると、その差は歴然だった。
【明るいカフェでの利用】
手元のテーブルからの光の反射が、「XREAL One」ではレンズ下部に明確に映り込むのに対し、「XREAL One Pro」ではほぼ気にならないレベルまで抑制されている。これにより、映像への集中力が全く途切れない。
1週間の使ってみて、本タイトル「XREAL One Proは“買い”か?」に答えたい。 結論から言えば、予算が許すのであれば、間違いなく「買い」である。特に、これから初めてARグラスを購入するユーザーにとっては、現時点で最高の選択肢と言い切れる。1万5000円の価格差は、「圧倒的な没入感(広視野角)」と「ストレスフリーな視聴体験(映り込み激減)」への投資だと考えれば、十分にその価値はある。
「XREAL One Pro」は、単なるマイナーアップデートモデルではない。より多くの人にとっての「日常のツール」となる、進化を遂げたモデルだ。「XREAL One」で感じていた細かな不満点を解消し、グレードアップさせた製品と言える。ARグラスの可能性を体感できる「XREAL One Pro」をぜひ使ってみてみてほしい。
近年、人口減少や高齢化といった全国の地方都市が抱える社会課題の解決策としてデジタル技術、特にメタバースへの期待が高まっており、メタバースは単なる仮想空間でのゲームやコミュニケーションに留まらず、教育、医療、観光、防災など、私たちの暮らしに直結する分野での実用化が進んでいるが、最先端技術に関する大規模なカンファレンスはこれまで東京での開催が中心だった。 Meta Osakaは今年5月、EXPO2025大阪・関西万博会場で開催された「メタバース・XR・AIアワード」で、関西におけるデジタル技術の可能性を発信し、2日間で15,000人の来場者を記録。関西の企業や自治体、教育機関から高い関心が寄せられ、地域でのデジタル技術活用に対する強いニーズが確認された。今回のサミットは、このニーズに応える形で、業界をリードする一般社団法人Metaverse Japanと連携し、関西のビジネス関係者や市民がデジタル技術の最先端に触れる貴重な機会を提供するものである。
Meta Osaka 代表取締役の毛利英昭氏は、今回のサミットを「なんば地区をデジタルとリアルが融合する次世代都市として発展させる『デジタルエンターテインメントシティ構想NAMBA』および『XNAMBA』の重要な第一歩」と位置づけているとコメントしている。 毛利氏はまた、「人口減少などの課題を抱える地方こそ、デジタル技術を活用した新しい解決方法が必要です。これまで東京中心だったメタバース業界のイベントを関西で開催することで、関西から世界に向けて新しい技術の可能性を発信する貴重な機会となります。大阪の持つエンターテインメント文化と最新技術を掛け合わせることで、多くの人がワクワクする未来を創りたいと考えています。このサミットがなんばから始まる新しい都市体験の第一歩となり、全国の地域活性化のモデルケースになることを期待しています」と、イベントへの強い期待とビジョンを語っている。